フジサンケイ・ビジネスアイ、産経新聞社主催、台湾外交部、台北駐日経済文化代表処共済の「日台文化交流 青少年スカラシップ」の受賞者表彰式が、3月25日、台北駐日経済文化代表処にて開催された。
「日台文化交流 青少年スカラシップ」は、2004年から始まり、今回で10回目を数える日台学生交流事業。中学、高校、専門学校、大学の学生から作文、書道の作品を募り、優秀賞入賞者を台湾研修旅行に招待する。応募開始は2012年11月27日、最終審査会は2月8日だった。
受賞者は、大賞は、作文部門の好中奈々子さん(高水高等学校1年)、審査委員長特別賞は、作文部門の内田一希さん(同志社大学1年)、復興支援特別賞は、作文部門の寺門理沙さん(お茶の水女子大学付属高等学校3年)ほか、優秀賞は作文部門7人、書道部門全8人だった。
冒頭で同事業名誉顧問で今年2月に亡くなられた中嶋嶺雄氏(国際教養大学学長)に対し、黙祷の儀式が行われた。
最初に挨拶にたった台北駐日経済文化代表処の陳調和副合代表は、10周年を祝うとともに大賞を受賞した好中奈々子さんの「台湾と『ぞうさん』の歌」をはじめ、受賞作品は厳しい審査を経て高い評価を得たものだとして受賞者を讃えた。また、1週間の研修旅行では、総統府、外交部や教育部など政府機関への表敬ほか、高校や大学との交流、ホームステイ、故宮博物院見学、日本語世代との交流など豊富な内容となっていることに触れ、「台湾の体験を通してさらに関係を深め、将来、日本と台湾の架け橋になってください」と力を込めた。
次いで、フジサンケイビジネスアイ(日本工業新聞社)の縣良二社長は、「日本、世界は、今、困難に直面していますがどう乗り越えていくか。(日本と台湾の関係で言えば)台湾の皆さんと日本人が互いを理解しようという姿勢、この心を持つ以上、この困難は乗り越えられると思っています」とし、「1週間、いい研修をして来て欲しい。今の台湾を見て感じて、日本と台湾のこれからの在り様を考え、素晴らしい信頼関係を作ってそれを今後に生かしてください」と受賞者を励ました。
この後、今回、審査委員長を務めた日下公人氏(社会貢献支援財団会長)が受賞作品について論評した。「今年の皆さんの作文は、腰が抜けるほど(素晴らしさに)感心致しました。日本人の魂は残っていた。日本人のセンスは素晴らしい。そういう日本が戻ってきた(ようです)」と挨拶し、大賞を受賞した好中奈々子さんの「台湾と『ぞうさん』の歌」を通して、「グローバリズムからローカリズムへ」という話を、審査員特別賞を受賞した内田一希さんの「日台友好の懸け橋に、私はなりたい」を通して「恩返し」という日本の文化について話し、参加者は熱心に耳を傾けていた。
表彰式は、最初に、日下公人氏より、審査委員長特別賞(表彰状・賞金5万円)が内田一希さんに贈られた。以下、フジサンケイビジネスアイ縣良二社長から作文部門優秀賞が、代表として小野純子さん(名古屋市立大学大学院2年)に、書道部門優秀賞が、島村谿堂(産経国際書会常任顧問)より、代表として奈良岡美彩さん(埼玉県立川口高等学校3年)に、復興支援特別賞が陳調和副代表から寺門理沙さんに、最後に、大賞が陳調和副代表から好中奈々子さんに贈られた。
表彰式終了後、懇親会を経て一行は、台湾研修旅行へと出発した。